会いたい・・・

『やめて!クラウド!
 やめろ!バカ!
 だめだよ!クラウド!
 やめるんだ!クラウド!
 あのバカ野郎!
 ダメー!』
皆は一斉に声を張り上げた。
クラウドの耳にはもう声は届いていない。

クラウドは黒マテリアをセフィロスの体に入れた。

その途端大きな揺れが皆を襲った。
「ダメだ!逃げるぞ!」
「いや・・・だって・・・クラウドが・・・」
「早く来い!ティファ!」
「クラウドー!」
ティファの叫び声は轟音にもみ消されていた



飛空挺ハイウィンドが飛び立った瞬間、大空洞は大きな光が現れた。
6人は甲板からその様子を見つめていた。
「クラウ・・・」
「うわ!」
物凄い音と共に、火柱のようなものが大空洞から噴出した。
「これは・・・」
「メテオが・・・発動されたんだ・・・」



星の運命が一転した瞬間であった。







クラウドの体は漆黒の闇に包まれていた。

「どこだ・・・ここは・・・上も・・・下も・・・わからない・・・」
クラウドは自分の手を見た。
「生きてる・・・まだ・・・生きてる・・・」
クラウドの意識が少しずつ回復に向かっている。
「どうなったんだ・・・俺は・・・」
「うっ・・・!」
またクラウドに頭痛が走った。





「・・・ラ・・・ド・・・」

「声・・・?」

「・・・クラ・・・・ド・・・」

「誰だ・・・・」

「クラウド・・・」
「!」
クラウドの目の前に人影が見えた。
「セフィロス・・・?」

「まだ生きていたのかクラウド・・・」
「・・・・・」
「どうした?もう喋る力も無くなったか?無理も無い、あんな大量の魔洸を浴びたのだからな」
クラウドはぐっとセフィロスを睨み付けた。
「まあよい、私はこの星の覇者となった。いや・・・神となったのだ」
「神・・・だと・・・・・」
「もうしばらく日が経つとメテオがこの星を襲う・・・そして・・・この星の害虫達を焼き尽くしてくれる」
「・・・・・」
「そう・・・全てを無にしてやるのだ・・・お前が発動してくれた・・・メテオでな」
「何・・・・」
「あの女が何かを仕出かしたようだがメテオに勝るものは無い・・・」
「・・・・・」
クラウドはエアリスの最期の笑みが心に深く残っていた。


エアリスは・・・最期の時にきっと何かをしてくれた・・・

あの笑みは・・・俺にそう伝えたかったんだ・・・

エアリスの残してくれたもの・・・

エアリスの死を決して無駄になどしない!


クラウドは剣を手にとった。
「フッフッフ、まだそんな力が残っていたか」
「たあぁ!」
セフィロスに走り寄る。
剣を振り下ろした、しかしそこにはセフィロスの姿は無い。

「遅い」
「!」
クラウドの後ろには不気味な笑みを浮かべたセフィロスの姿があった。
「くそ!」
もう一度渾身の力で剣を振った。
しかしまたそこにセフィロスはいない。
「まだわからないか・・・?」
クラウドの息は荒い。
「この私から見るとお前など虫ケラにすぎんのだ」
「ハァ・・・ハァ・・・」
「私もこれ以上お前を苦しませるつもりは無い」
「ハァ・・・ハァ・・・」
「すぐ楽にしてやる・・・」
「くっ・・・」
「終わりだ!クラウド!」
セフィロスは長刀正宗振り上げた。






「!?」
突然クラウドの体が光りだした。
「な・・・何・・?」
漆黒の闇が忽然と光に包まれた。
「ぐっ!」
セフィロスは目を塞いだ。



しばらくすると光は収まり、セフィロスはゆっくりと目を開けた。
「な・・・何?!」

クラウドの姿はそこには無かった。

「バ・・・バカな・・・一体・・・何処へ消えたというのだ・・・」








    

         「 あなたに・・・・・会いたい・・・・・」





   ん?

   エアリスの・・・・・声・・・・・

   懐かしい・・・
   
   この・・・暖かさ・・・ 

   もう一度・・・もう一度だけ・・・





   会いたい・・・


   
   



「光・・・」
瞼の奥から漏れる光がクラウドの意識を取り戻した。
「セフィロス・・・俺は・・・斬られていない・・・?まさか・・・助かったのか・・・?」
クラウドは方膝をついた状態だった。
しばらくするとクラウドは妙な違和感を感じた。
「何か・・・違う・・・ここは・・・何処だ・・・」
背中から何かざわめきが聞こえる。
「誰か・・・いる・・・」
クラウドはゆっくりと振り返った。

「なんだ・・・これは・・・」
目の前に巨大な機械がある。
その奥には3人の男が立っている。



「すごいぞ親父!こんなガラクタでも動くんだな!」
「ガラクタとはなんだ。ちゃんと俺が整備してだな・・・」
「ねえムスタディオ」
「どうした?ラムザ?」
「誰か・・・いるよ?」
「人か?」
「おそらく異世界から召喚されてしまったんだろう・・・これは召喚の機械だったのか」
「異世界だって?」
「おそらくな・・・見てみろ、あんな服見たことが無い」








「異世界・・・?俺が・・・召喚された・・・?」




ケット
2001年11月02日(金) 23時21分04秒 公開
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■作者からのメッセージ
最後の方はわかる人しかわからないかな・・・
FFTをからませてます。
タクティクスした人はこの先の展開知ってるからつまらないかも(^^;Aアセ

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