大いなる福音


次々と仲間は倒れていった。
蘇生を図るが、敵のすばやさは自分達よりはるかに上だった。

気づくともうクラウドしか残っていなかった。
「さすがに強いな・・・セフィロス・・・」
目の前には、あの伝説のソルジャーの面影も無い片翼の天使が、虫ケラを見るような目でクラウドを睨みつけている。
クラウドの体力はもう限界だった。
セフィロスはこれで終わらせる気なのか、大きな叫び声と共に魔法を発動した。
空間がひび割れていくようにクラウドは見えた。
大きなエネルギーがセフィロスの体を通り越してこっちへ向かってくる。
クラウドの目の前は真っ白になった・・・。



古ぼけた教会が見えた。
鳥の声が聞こえる。
光がたくさん射し込んでいる。
子供の声もしているようだ。
花?教会の奥に花が咲いている。
まるで小さな花畑のようにたくさん・・・。

「ここは・・・」
クラウドは状況がつかめていない。
すると奥のドアから誰かが入ってきた。
エアリスだった・・・。
この瞬間、クラウドは悟った。

「俺は・・・死んだのか・・・?」

「クラウド、こんな所で何してるの?」
クラウドはぎょっとした。
「エアリス・・・すまない・・・」
「どしたの?」
「俺はあの男に負けた・・・俺は死んだんだ・・・」
「どうしてそう思うの?」
「だって現にお前は・・・」
クラウドは先が出てこなかった。

「クラウド見て、この花」
「え?」
エアリスは教会の花を見ている。
「1つだけ大きな花があるでしょ?」
「ああ・・・」
「そのまわりには7つの小さな花が囲むように咲いてるの」
クラウドはエアリスが何を言いたいのかわからない。
「大きな花は、自分の成長に邪魔な他の花をどんどん花壇の花を枯そうとしてる」
「でも小さな7つの花は負けない・・・今は大きな花を囲んで、花壇を守ろうとしてる」
「エアリス・・・」
クラウドはエアリスの言っていることがわかったような気がした
エアリスはその小さな花の横に一つ、花を植え付けた。
「守らないと・・・ね」
「守る?」
エアリスのその行動の意味はクラウドにはわからなかった。

「さぁ行こ、クラウド」
「え?」
エアリスは教会の扉に向かっていく。
「さ、早く!」
エアリスは手を差し伸べる。
クラウドはエアリスの手を握った。
扉は二人を導くかのように開いた。

二人は光に包まれた。



クラウドは生きていた。しかしもう動く力は残っていない。
前からは巨大なエネルギーが迫ってくる。
「エアリス・・・」
クラウドは剣を落とした。
「俺はセフィロスを超えられなかった・・・」
その時クラウドの目の前に、セフィロスの放ったものと違う光が現れた。
「!」
光の中には人らしき影が現れた。
その影は何かを唱えている。
その瞬間、聖なる光が現れ、傷ついた仲間達を包み込んだ。
仲間達は次々と立ち上がった。
クラウドも急に体が楽になった。
「わかったよ、エアリス」

セフィロスの魔法がクラウド達を襲った。
しかし何の苦痛も無かった。
体が聖なる光に包まれている。
セフィロスは動揺を隠せない。

クラウドは剣を手に取った。そして目の前の強大な敵をにらみ返した。
「俺はあんたを超えてやる。そして信じてくれエアリス、俺は・・・」


「星を守ってやる!」
2号
2001年08月23日(木) 01時27分53秒 公開
■この作品の著作権は2号さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
あえてクラウドとエアリスしか喋らせていません。小説は滅多に書かないので変な所があったらすみません<(_ _)> 

この作品の感想です。
続き書いてよお ???? ■2001年12月11日(火) 15時33分59秒
・・・すごい・・・ いいです、感動!!もっと書いて書いて!! ガイツ ■2001年10月09日(火) 20時44分26秒
おー、いいですね! 天野 ■2001年09月04日(火) 23時49分52秒
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